能狂言の最近のブログ記事

杉並能楽堂にて狂言を観てきました。
 

kz-20090211-01-01.jpg

1. 概要

  • 会名
    青青会 (第43回)
     
  • 日時
    2009/02/11(水) 13:30~16:43
     
  • 主催
    大蔵流 山本家
     
  • 開催地
    杉並能楽堂
     
  • 演目
    1. 狂言 「鎧」
    2. 狂言 「八句連歌」
    3. 小舞
       「景清」
       「貝尽し」
       「鐘の音」
       「小原木」
    4. 狂言 「首引」
       
  • 備考
    「青青会」は若いお弟子さん方の発表会的な色彩が強い会であり、
    ベテラン勢は脇役に徹しています。
     

2. 東次郎先生の談話から

公演後の山本東次郎先生の談話から、印象に残ったものをメモしておきます。

  • 狂言「八句連歌」

    冒頭、金貸しが借り手の屋敷に督促に訪れる。
    借り手は居留守を使って難を逃れようとする。
    居留守を見破った金貸しが「こういう時、奴は裏口からこっそり逃げるに違いない」と踏んで屋敷の裏口に回ったところで、丁度出てきた借り手とすれ違いざま、肩がぶつかりお互いに気付くシーンがある。

    談話内容ここから---------------------------------------------------

    この部分について、若い頃の東次郎先生は
    「訪ねた相手とすれ違うまで気付かないはずがない。この型はおかしい」
    と父である先代(三代目山本東次郎)に噛み付いた。

    それに対して先代答えて曰く、
    「伝統に対し、否定から入ってはいけない。おかしいおかしいと言って勝手に内容を改変してしまったら、それは別な物になってしまう。それだけは絶対にしてはならない。
    この状況において、『向こうから来る相手に気づかないことはあり得ない』と本当に断言できるのか?徹底的に考え抜いた上で言っているのか?」

    悔しがった現東次郎先生、何日か考えて「その時は薄暗かった」などの状況であれば有り得るかもしれない、などの可能性について考えたとのこと。
    やがて現東次郎先生も伝統に対してまず肯定から入るように所信を改めたそうです。

    -------------------------------------------------談話内容ここまで

先代の三代目山本東次郎は、

乱れて盛んならんよりは、むしろ堅く結びて滅びよ

との言葉も残しているそうです。

大蔵流山本家に限って、他家のように狂言を他の表現物と混ぜ込んで「コラボレーション」とかやらかしたりする心配は無さそうです。
 


今後の公演予定

山本会別会

  • 日時
    2009/5/17(日)
  • 場所
    国立能楽堂
  • 演目
    1. 狂言 「花子」
    2. 狂言 「樋の酒」
    3. 狂言 「獅子聟」

第44回 青青会

  • 日時
    2009/9/27(日)
  • 場所
    杉並能楽堂
  • 演目
    1. 狂言 「二千石」
    2. 狂言 「因幡堂」
    3. 狂言 「佐渡狐」

参考

観世能楽堂にて能を観てきました。

チラシ表

チラシ裏

1. 概要

  • 会名
    岡庭祥大独立10周年記念能
     
  • 日時
    2009/01/31(土) 12:00~17:30
     
  • 主催の流派
    観世流
     
  • 開催地
    観世能楽堂
     
  • 演目
    • 能 「翁」
    • 舞囃子 「高砂 八段之舞」
    • 連吟
       「東北」
       「鞍馬天狗」
    • 狂言 「素袍落」
    • 仕舞
       「老松」
       「兼平」
       「松風」
       「隅田川」
       「野守」
    • 舞囃子 「熊野 村雨留」
    • 能 「道成寺」
       
  • 座席種別
    B指定席
     
  • 備考
    岡庭祥大(おかにわ まさひろ)先生の独立十周年を記念した会。
    お祝いの色彩を持つ会であるため、「翁」が演目に含まれている。
     

2. 所感

能の演目のうち、どうしても生で観てみたいものが何本かあります。
「翁」はその筆頭で、特に観世の翁だけはいつか絶対に観たいと思っていました。
「道成寺」についても、映画「能楽師」を劇場で観て以来、乱拍子→急ノ舞→鐘入りの流れを生で観たいとずっと思っていました。
今日の会でその2つが叶いました。

舞囃子は関根祥人先生/観世清和先生(観世流宗家)という豪華なメンバーで全く捨て曲がありませんでした。
普通、メインの能以外の演目は回復ポイント扱いで、観衆も割とくつろいだ気分で観たり、集中力が途切れてパンフレット読み始める人が出てくるものですが、ほぼ全員身じろぎもせず舞台を注視していました。

狂言方は、ご贔屓にしている大蔵流山本家から山本東次郎、山本則俊両先生が出演し、しっかり笑いを取っていました。
狂言「素袍落」終劇直後、隣席の若いあんちゃんが「あ狂言おもしれー、この山本って人たちすげー」と反応していました。

過去の観能履歴と比較しても特に満足度の高い会でした。
土曜日に確実に休みを取るため、木曜に泊まり込みで仕事を済ませておいた甲斐があったというものです。
 

3. 演目について

※生半な知識と脆弱な記憶に基づく記述です。眉に唾をつけてから読むことを推奨致します。

3.1 翁

数ある演目の中でも別格の神聖曲として扱われています。
能の演目の中では最も発生が古く、正確な起源についてはよく分かっていません。
 

3.1.1 展開

※画像はセルリアンタワー能楽堂 舞台開き祝賀公演での観世流「翁」

  1. シテ(=主人公)の翁を含む演者、囃子方全員が列をなして舞台に登場。
    ※この時点ではシテは面をつけておらず、翁面は筺に入った状態で舞台に持ち込まれる。
     
  2. 各自定位置についたところで、囃子(笛と小鼓)開始。
    kz-20090131-01-03.jpg
     
  3. 囃子に合わせて、シテが神歌を謡い始める。
     
  4. ツレ(=シテのお連れさん)である千歳(せんざい)が舞う。
     ※この時の舞は露払いであると考えられています
    kz-20090131-01-04.jpg
     
  5. 千歳が舞っている間に、バックグラウンドでシテが翁面を実装します。
    kz-20090131-01-05.jpg
     
  6. 千歳に代り、シテの翁が舞う。
     ※内容は天下太平、五穀豊穣といった意味合いの言祝ぎの歌
    kz-20090131-01-06.jpg
     
  7. 翁と千歳退場。
     
  8. 二者の退場後、三番叟(さんばそう)が舞う。
     ※三番叟は狂言師が担当。謡の内容は翁と似通っている。
    kz-20090131-01-07.jpg
     
  9. 終劇
     

上記の通り、千歳、翁、三番叟の三者が順に喜びの舞を舞うのみで、ストーリーは存在しません。
劇というよりは神事、儀式的な色彩が非常に強いです。
 

3.1.2 実運用においてどのように「別格」扱いされているか

「翁」は祝祭的な意味合いのある場でしか上演されません。
例示すると

  • 年明けの初回の公演
  • 能楽堂の舞台開き
  • 能楽堂のオープンXX周年

などです。
そのため、能楽堂で普段開催されている「定期能」や「普及公演」ではお目にかかれません。

昨年(2008年)、国立能楽堂 開場25周年記念として観世流宗家による翁が上演されました。
この記念公演に対し、筆者はチケット予約受付開始当日の朝に電話しましたが、その時点で完売しており観ることはできませんでした。

儀式として神聖視されているためか、「翁」上演開始後の途中入場は許されません。
「翁」を観る時は時間厳守が鉄則となります。
 

3.1.3 筆者に与えた影響

2001/05/22(火)、セルリアンタワー能楽堂がオープンしました。
その際、舞台開きの祝賀公演として

『舞台披き祝賀能 五流宗家によるセルリアンタワー能楽堂 舞台披き祝賀能』

という豪勢な会が催されました。

この公演がNHK教育の番組「能楽界の話題」にて取り上げられ、5分程度のダイジェストとして「翁」が流れました。
「翁」を観たのはその時が初めてだったのですが、そこで流れていた観世流宗家による翁があまりに素晴らしかったため、『観世の翁を生で観たい』という執念に囚われ、現在に至ります。
今日の公演でようやく一区切りついた気分です。
 

4. 今後の観能目標

下記はいつか生で観てみたいです。

  • 老女物(計5曲)
    • 鸚鵡小町(おうむこまち)
    • 姨捨(おばすて)
    • 関寺小町
    • 卒塔婆小町(そとばこまち)
    • 檜垣(ひがき)
  • 百万
  • 紅葉狩

老女物について
能のキャラクターの中でも、特に演じるのが難しいと言われているのが老女の役だそうです。
そのため、老女物は極めて練度の高い能楽師しか舞わせて貰えません。
公演頻度も稀です。
 

杉並能楽堂にて大蔵流山本家の狂言を観てきました。

kz-20080928-01-01.jpg
杉並能楽堂では、大蔵流の山本家が定期的に狂言の会を開催しています。
以下のような特徴を有しています。

  1. 開催規模が小さめであるため、非常にアットホームな雰囲気
    イメージ的には、芋煮会のような地区のイベント的な雰囲気です。
    上掲の写真にもあるように、ご近所さんがチャリンコ乗って観に来るような、いい意味での「ユルさ」があります。
  2. 料金が非常に安い
    青青会は若手メインの会であり、一般で\2000、学生だと\1000で観られます。
    ベテラン勢もフル稼働する「山本会」でも一般\3000です。

私は学生時代から6~7年ほど通っています。


第42回 青青会

  • 日時
    2008/09/28(日)
    13:30~16:45
  • 場所
    杉並能楽堂
  • 演目
    1. 狂言 「萩大名」(はぎだいみょう)
    2. 狂言 「縄綯」(なわない)
    3. 小舞
       ・七ツになる子
       ・おかしき天狗
       ・芝垣
    4. 狂言 「宗論」(しゅうろん)
    5. 山本東次郎による解説
      • 自身の体調について
        転倒して頭を打ち、その5週間後に硬膜下血腫を発症していた。
        8月に手術を受け、無事全快されたとのこと。
      • 演目変更について
        当初は2番目の演目として「抜殻」(ぬけがら)を予定していた。
        山本家と「抜殻」には浅からぬ因縁(下記)があり、今回は御大の体調不良の中でこの演目を決行するのはいかがなものかと内部から物言いがあり、演目を変更したとのこと。
        ※1.現・東次郎の祖父が「抜殻」を6月に演じ、9月に亡くなられた。また、演じた際に鬼の面の紐が新品であるにもかかわらず突然切れるというハプニングもあったとのこと。
        ※2.現・東次郎の父が「抜殻」を6月に演じ、約1ヶ月後に亡くなられた。
      • 縄綯
        劇中では本物の縄を使わず、美男鬘(びなんかずら)に用いるような白く長い布を縄に見立てて使っている。これは「縄自体が目立ってはいけない」という考え方に拠るとのこと。
        ※1.「白」は狂言においては「存在しない」と見なすことになっている。
        ※2.和泉流では本物の縄を用いているとのこと。
      • 宗論
        浄土僧と法華僧がせめぎ合うシーンは七分目くらいの力でやるのが望ましい。
        若手が「宗論」を演じると、そこを100%の力でやり切ってしまうため、最後に息が上がってしまう。

今後の公演予定

山本会

  • 日時
    2008/11/3(月) ※文化の日
  • 場所
    杉並能楽堂
  • 演目
    1. 狂言 「栗焼」
    2. 狂言 「鈍太郎」
    3. 狂言 「桂の短冊」※山本東次郎作

第43回 青青会

  • 日時
    2009/2/11(水) ※建国記念日
  • 場所
    杉並能楽堂
  • 演目
    1. 狂言 「鎧」
    2. 狂言 「八句連歌」
    3. 狂言 「首引」

参考

久しぶりに能楽を観てきました。

kz-20080920-01-01.jpg

  • 日時
    2008/09/20(土)
    正午開演 17:30終演
  • 場所
    宝生能楽堂
  • 演目
    1. 能 「岩船」(いわふね)
    2. 狂言 「飛越」(とびこえ)
    3. 能 「経政」(つねまさ)
    4. 能 「三井寺」(みいでら)
    5. 狂言 「柿山伏」(かきやまぶし)
    6. 能 「紅葉狩」(もみじがり)

 

「紅葉狩」という曲を一度観てみたかったのが今回の動機です。
能楽4本で一般5000円という破格の席料だったので、おそらくは若い方達がメインの研究発表会的なものだろうと予想されましたが、やはりそうでした。

「三井寺」ではシテの方が終盤で台詞をトチったらしく、ワキ(か地謡?)の方から訂正されていました。
「紅葉狩」ではツレの方が足が痺れて立ち上がれず、コケてしまっていました。

次はベテラン勢で固めた「紅葉狩」をどこかで観たいと思います。

2013年8月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち能狂言カテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリは将棋です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。